【2021年3月定例会】診断士が目指すべきAIプランナー特集

2021年3月30日(土)14:00~17:00にAIビジネス研究会3月定例会を開催しました。

今回は2つの演習を行い、AIプランナー+診断士の役割を議論しました。

講演1)サービス業を題材としたAI活用による課題解決演習

宇野会員よりサービス業の現状と10年後の姿について講演いただきました。

サービス業の10年後はどうなっているか?宇野会員の考えは以下の通りです。

①他業種連携:顧客中心の製品・サービス提供への組み替えが進み、他業種と連携したサービスが展開される。

②領域の拡大:サービス業の特性の多くの部分が新しい技術により超越でき、領域が広がる。

③高度化:「能力」の流通とコモディティ化によって、個人や小さな企業が多様なニーズに合った高度なサービスを提供できるようになる。

つづいて美容室業界を題材にした、課題と解決策について議論しました。美容室の中ではほとんどが「顧客と美容師の2人だけの世界」です。人対人で簡単にAI化することが難しい中、顧客の定着(リピート利用)向上に向けて、サービス提供側(技術者)の能力の違い、顧客の要望(髪質、年齢、好み、髪型など)に無限の組み合わせが有ることなどを考慮して意見を出し合いました。

各グループで活発な議論が行われ、多くのアイデアが発表されました。なかでも評価が高かったのは、従来は同じ人が担当していたカウンセリングを施術とは別のスタッフが行うことで、髪質情報にあわせた施術方法を提案する案でした。

このように、演習を通じて現場の課題をディスカッションする中で、AIプランナーが果たすべき役割について良い気づきが得られたと思います。

講演2)診断士がめざすべきAIプランナー像

笠置会員よりAIプランナー像について紹介いただきました。

AIプランナーとは明確な定義が決まっていないが、「経営層とデータサイエンティストの橋渡し」的役割という意味で、AI白書や様々な書籍などで提示されています。また、笠置会員がチャレンジした立教大学院の定義についても説明いただきました。

AIプランナーに必要なスキルとして技術的な知識の他に、経営層との橋渡し役を行うための知見や手法が考えられます。さらに中小企業診断士には、AI活用を実現するための補助金活用にも慣れている面があり、高い付加価値を提供できるとのことでした。

演習では、4つの業態(製造、サービス、食品、物流)における、課題解決とAI活用について、診断士二次筆記試験さながらの事例を提供いただき、グループ毎に議論しました。

さまざまな意見がありましたが、AIプランナーに求められることとして大枠としては①事例(ロールモデル)の紹介、②会社の課題に合った課題解決、③課題解決が実現可能なツールやベンダーの紹介、が上げられました。

今後の予定

次回の定例会は4/17(土) 14:00-17:00です。みなさまの参加をお待ちしております。

また、4/4(日)は、かながわスプリング・シンポジウム2021(https://sindan-k.com/springsymposium2021/)でAIビジネス研究会の紹介をおこないます。

文責:中嶋会員