株式会社フロンティアワン鍋野敬一郎様より「アフターコロナの製造業AIトレンド」と題して、基調講演を頂いた内容(2020年10月度公開講座)を紹介します。
アフターコロナ
新型コロナが町工場や機械メーカーに与えた影響を各調査機関の公表資料をもとにご説明を頂きました。製造業のサプライチェーンではコロナの影響は大きく、特に下請け構造にある町工場の売上は今後もしばらく厳しい状況が続くそうですが、既に新規顧客開拓へ動き出した町工場もあるそうです。
一方、訪問や展示会などの機会が制限される中、新たなオンラインコミュニケーションツールの導入など、新しい働き方へ変化していく傾向も見られ、製造業という伝統的産業においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が大きく進む契機となりつつあります。Microsoftのサティア・ナデラCEOも「2年分のデジタルトランスフォーメーションがわずか2か月で成し遂げられた」と話されているとのことです。
製造業のAI
製造業におけるAI活用について、既に始まっている製造現場の取り組みを動画でご紹介頂きました。動画でも実際の工場にエッジAIを導入してチョコ停対策を実施していましたが、IoTデータを機械学習(統計解析、相関性分析)や深層学習(品質検査)などに活用してAIを実装する事例が多くあるようです。
データ駆動型DX
IoTが生み出すデジタル価値として、3つのレベルをご紹介いただきました。
・モニタリング(監視):データを「見える化」してネットワークで共有
・メンテナンス(保守):設備機器の能動保守(予防保全・予知保全)を実現。
・コントロール(制御):デバイスの精密制御・遠隔制御・自動制御
3つのレベルを意識し、社内向けとユーザー向けにIoTを活用するビジネスモデルを構築することが重要とのことでした。
機械学習などデータ活用を強く意識することで、今後、データ駆動型のデジタルトランスフォーメーションに発展するとの予測です。その中には、データレイク(ビッグデータの蓄積)やデジタルツインを実装したスマートファクトリーも含まれており、将来のつながる工場をご説明頂きました。
文責:野網会員