【9月定例会】AIで人体の不思議と魅力を探る

2020年9月定例会では、(株)PixSpace 代表取締役 阪本様による「CT/MRIを用いたAI技術開発ビジネス」と題し、同社の取り組みについて紹介いただきました。

「なんでCTを取って結果を聞くのに1週間かかるの?」

皆さんは、健康診断などでレントゲン撮影をしたことがあると思います。CTやMRIも経験したことがある人は少なくないのではないでしょうか?

病院に行って、このような検査をした時は、普通であれば少し待たされた後で診察室に呼ばれて、お医者さんの説明を受けることができますね。

しかし場合によっては、「1週間後にまた来てください」なんて言われることがあります。

これから不安な1週間を過ごさなければならないなんて。早く結果が知りたい。

しかし、こんな不安を感じることもAIによって少なくなるかもしれません。

撮った画像からいかに病巣を見つけ出すか

CTやMRIなどの検査を行った後、映像を基にした診断には、多くの医師が関わります。特に画像から病巣を特定するため、臓器別の横断的な知見を有する専門の医師(読影医)がいます。病巣の特定から診断までに、読影医の判断を基に専門の医師らが何度も話し合うそうです。また、読影医は現在とても不足しているそうです。大病院にいる読影医が複数の病院から持ち込まれる検査映像を見て、判断業務を行っているということです。

AIで読影医不足の解消を目指す

今回講演いただいた阪本氏は放射線技師の資格を持ち、民間企業でマーケティングや画像解析の開発にたずさわってきました。そして、2016年に(株)PixSpaceを立ち上げています。同社の事業は主に、医療用画像解析サービスや解析プラットフォームの提供です。同社は画像診断における部位特定(病巣の特定)や範囲の特定(臓器の形状など)でDeepLearningを活用しています。

これにより、学習済みの環境であれば数秒の計算で結果が出力されるそうです。

また、AIを活用することで①新しい商材の追加、②開発時間の短縮、③技術開発の難易度が低下、といったメリットがあるとのことでした。

PixSpaceの取り組み

同社は、医療へのかかわりの他に、医療画像の提供サービス(テレビドラマなどで利用されている)も行っているそうです。阪本氏は、顧客ニーズを基に、医療に関する知識と画像解析に関するノウハウを使って、新たなアイデアとともにサービスを提供していきたいとのことでした。

参考

PixSpace社HP https://www.pixspace.co.jp/

文責:中嶋会員