【2022年10月定例会】メタバース特集

この記事を読んでいる皆さんは、「メタバース」についてどのような印象をお持ちでしょうか?

投稿者である私は、メタバースのことをゲームやアニメなどの「娯楽分野」と認識しており、ビジネスの分野への広がりまでは感じていませんでした。

しかし、どうやらその認識が間違えていたようです。

今月の例会では「メタバース」特集として、「ビジネス分野での概論」と、「製造業の価値創造経営を実現する仕組みへの展開」の講演を受け、最後にグループワークを実施し理解を深めました。

講演1)B2Bメタバース概論

小泉会員より、導入編として最新の動向や事例の紹介がありました。

メタバースについて次のような認識をお持ちの方が多いようです。

・ゲームの中だけの話でしょ

・ビジネスに使えるわけない

・中小企業とは無縁の世界

実は、メタバースは30年前からある話ですが、ゲームやエンタメに限定されており、ビジネスシーンでの利用は音楽やファッション業など局所的でした。

このメタバースに関して大きな動きをもたらしたのが昨年のメタ社の発表です。これをきっかけに急速に認知が高まり、大戦国時代がはじまったと言えます。

多くの人は「またゲームやエンタメの利用シーンだろう」と想像するでしょうが実は、コミュニティやシミュレーションなどの「ビジネスシーンでの活用」が進み始めています。

例えば、ビジネスイベントに加えて、試乗シミュレーションや、バーチャルキッチン展示場などもメタバースを用いた事例が出始めています。メタバースの特徴である「空間」「奥行」を活かし、集会への参加/実際にその場にいるかのような共同作業を行う事が可能になってきているのです。

メタバースは現在黎明期にあたり、一般ユーザーが普及状況に興味を見せ始めている段階です。2025年~2030年には普及期、2030年以降は定着期に進んでいくと見込まれます。

今後、大企業のみならず、中小企業での活用も期待され、是非注目しておきたいテクノロジーです。

講演2) 価値創造経営を実現する仕組みづくり

MCS研究所 山本会員より、メタバースを活用した具体的な用途として「価値創造経営を実現する仕組みづくり」について紹介がありました。

よくありがちなのですが、「メタバース」について会話をする際、プラットフォームやメタバース自体の構造について会話している者同士でも認識が異なっていることがあります。

この講演では、まず認識齟齬が生じやすい「プラットフォーム」についての定義や「メタ」という言葉の本質的な意味、これを「リアルも仮想もまとめてとらえる」という観点から山本会員の現在の取り組みを交えた紹介がありました。

「成長戦略」「人材教育」等に対して活用が有効です。

重要なキーワードは以下の4つです。

・Experience(体験・体験)

・Simulation(試行・実験)

・Communication(会話・交流)

・Analytics(行動解析)

この活用のために、多次元ワンデータ構造の詳しい紹介や、メタバースを活用した基礎教育のコンテンツなど具体的な事例の紹介がありました。

紹介の一例をあげると、基礎教育/疑似体験/マッチングといったコンテンツの取り組みなどです。

今後、ビジネス分野である製造業やサービス業などに対し、上記例の様なコンテンツを増やし、活用を広げていくことが重要です。 

これを受けて参加者より「ユーザー参加型/プロダクトアウト型のアプローチの有効性」などの高度な質問と意見がでました。

最後に中小企業の課題を解決するために、メタバースを活用する方法について演習を実施しました。

下記設問をもとに4名程のチームに分かれてのグループワークです。

 Q1:対象企業

 Q2:対象企業の抱える想定課題

 Q3:メタバースで解決できること

 Q4:顧客に対する提供価値に貢献できること

参加者同士で今後の展望や課題、各自環境でのメタバース体験にもとづく意見を出し合いました。

「オンライン展示会を例にした利用インターフェースの活用」や「ゲームなどの知見のある業界とビジネスシーンでの活用業界への連携」などの活発なディスカッションを通じてメタバースに対する基本的な理解を深めることができました。

文責:油井会員