12月度の定例会が2024年12月21日にかながわ県民センターで開催されました。東大発のベンチャー企業LabBase様をお迎えし、会員他33名の方にご参加いただきました。
講演1)明日から使える生成AI連続講座 4
AIビジネス研究会の小泉代表による明日から使える生成AI連続講座の4回目が行われました。テーマは前回に引き続き、「生成AIの背景とプロンプトのコツ」でした。
前回は企業診断のフレームワークで使用されるファイブフォース分析やSWOT分析における生成AIの活用方法を学びましたが、今回はより詳細な分析方法として、企業の有価証券報告書などのファイルを読み込み、生成AIを用いて経営分析をしていく方法をハンズオン形式で学びました。多くの参加者が、生成AIによる分析精度の高さに驚いた様子でした。
その後のグループ演習では、横浜市近隣の具体的な企業に関して、実際に各自が身の回りの方に対してインタビューをした企業イメージや実在する口コミサイトの評価文を使ってMECEに分析する生成AIの使い方を試行してみました。
講演2)研究の力を人類の力へ ~日本のイノベーションを加速する研究エンパワーメントプラットフォームの紹介~
30年前、私が就職活動をしていた頃は、学校推薦が企業との主な接点でした。しかし、近年では学校推薦やリクルーターによる企業紹介が減少し、企業と学生のマッチングが大きな課題となっています。
このような現状に対し、AIを活用した学生と企業のマッチングサービスを展開する株式会社LabBaseの松崎様、奥田様にお越しいただき、課題解決に向けた取り組みを紹介して頂きました。LabBase様では、特に研究に力を注ぐ学生が企業から適切に評価され、選択肢を広げられる仕組みを構築しています。このサービスは、学生だけでなく企業側にも大きなメリットをもたらしており、大変好評とのことでした。
一方で、開発者でもある松崎様は、AIやロボットが人間の仕事を代替できるようになっている現実に直面し、人間の役割が消える社会を作ることが果たして正しいのか、という深い哲学的な問いを抱えています。この問いを胸に、日々技術開発と事業運営に取り組んでおられるとのことで、私自身も大変感銘を受けました。
研究の力を人類の力に変えるLabBase様の取り組みは、日本のイノベーションを加速する可能性を秘めています。私も今後のLabBase様の活躍に期待したいと思いました。
演習1)2035年の人材採用の課題をAIで解決する
松崎様の講演でも、人材採用方法の変化への対応の難しさを挙げられていましたが、本演習では2035年の採用における課題を想定し、AIでの解決方法をディスカッションしました。2035年の採用における課題としては、人口減少による労働力不足、海外人材獲得競争、スキルマッチングの難化が予想され、その解決策として、AI技術を活用した「未来予測型マッチングツール」「キャリアシミュレーター」などのAIツールの必要性が議論されました。松崎様の講評では、これらの解決策は2035年と言わず、より近い将来に実現するのでは、という展望もお話し頂きました。
講演3)グローバルAIスタートアップ創出の舞台裏 ~シリコンバレーのエコシステムを活用した新規事業創出への取組み~
シリコンバレーから急遽駆けつけて頂きましたNEC Xの金子亮様より、シリコンバレーのエコシステムを駆使したAIスタートアップ創出の舞台裏を熱く語って頂きました。
NEC Xの取り組みとして、最先端技術を基盤にしたベンチャースタジオプログラム「Elev X!」の成功事例を中心に、新規事業創出におけるFail Fastの重要性も含めてご紹介いただきました。AIによる業務の効率化や代替の現状を踏まえ、将来的には高度な創造性や意思決定支援など、さらに幅広い分野での活用が期待され、大きな可能性が広がる展望にも触れました。
日本より数年進んでいるシリコンバレーのリアルな状況を知ることで、未来のトレンドを先取りする感覚を得られる貴重な機会となり、さらなる学びと実践への意欲をかき立てられる内容でした。
次回の定例会情報はhttps://aibizlabo.com/meetingに記載されています。みなさまのご参加をお待ちしております。
文責:野網会員