【2022年3月定例会】ロボティクス特集

2022年3月19日(土)14:00~17:00にAIビジネス研究会3月定例会をリモート開催しました。

講演1)DXで活用できるロボティクス事例

大島会員より、清掃用ロボットを中心に業界動向や最新の事例について講演頂きました。

まず、業務・サービスロボットの世界市場規模は2025年に4.5兆円に伸びることが予想される有望なマーケットです。従来からの人手不足や人件費高騰の経営課題解消だけでなく、コロナ禍で新たに生じた非接触というニーズに対応するため様々な分野で導入検討が増加されています。

業務用の清掃ロボットは既に、商業施設、駅・空港、スーパーなどに導入が進んでおり、営業終了後の深夜・早朝に活躍しています。例えば、羽田空港では2019年より4機種12台での実証実験が開始されています(https://www.pr-today.net/category/a00233/8077/)。

周囲の人が移動する営業中は自己位置特定が困難、異常発生時の遠隔制御による早期復旧、複数台の一元管理などの課題はありますが、我が国の労働力不足を補う一手として今後の発展が期待される分野です。

講演2) チャットボットの最新動向

島村会員よりチャットボットの最新動向と中小企業が導入する必要性について講演頂きました。

 近年、画像認識・音声認識・自然言語処理の分野で特にAl活用が進んでおり、自然言語処理分野の活用事例の1つにチャットボットがあります。チャットボットは、人的コストを最適化するだけでなく、ユーザーとの接点増加のために、カスタマーサポートやデジタルマーケティングにも使用されています。つまり、有効活用できれば、売上増加により企業経営に大きな影響を与えることが期待されます。

 自社でI T専門人材を確保することが困難な中小企業であっても、L I N E等の既存プラットフォームを活用する、国の施策(例 中小企業デジタル化応援隊事業: https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211019007/20211019007.html)等を利用し外部専門家の知見を活用することで、導入や活用が可能です。

講演3) Windows PCさえ持っていればRPAが無料で使える!?最新のRPA、業務自動化事情を徹底解説

特別講演として藤澤様をご招待し、ご講演いただきました。藤澤様は、株式会社 Peaceful morning (https://peaceful-morning.com/)代表取締役であり、RPA導入コンサルティング、研修事業、内製化事業などを実施されています。講演では、R P A活用とPower Automate Desktop(Microsoft社)を利用した演習についてご紹介いただきました。

 RPAとは、「Robotic Process Automation」の略称で、ロボットによる作業自動化を指します。付加価値を生まない定型作業の自動化に最適で、生産性向上や人的ミスの削減が可能になります。このため導入企業が増えていますが、外部エンジニアやRPAサービス利用費用がネックになり、中小企業への導入は限定的ということでした。

 しかし、2021年3月に、一定条件を満たせば、Power Automate Desktop(Microsoft社)が無償で使用できるようになり、中小企業からのPeaceful morning社への相談件数が大きく増加したそうです。RPAは、営業・経理・人事・総務など、幅広い定型業務に活用できるため、今後は中小企業でもエクセルやワードと同レベルで使用され、D X推進に重要なツールになると感じました。

最後に、我々診断士も自分でRPA作成が出来るようになるため、藤澤様に準備いただいた演習にチャレンジしました。画面操作に一定の慣れは必要ですが、プログラミングの知識が不要で、マウスのクリック・ドラッグ操作中心で直感的に作成できることを体感できました。参加者全員が無事に演習課題をクリアし、藤澤様より「RPA作成経験あり」と宣言して良いとお墨付きをいただきました!

次回の定例会は4/16(土) 14:00-17:00「美特集」です。数学やメタバースなどに興味のある方は是非ご参加ください。

文責:大槻会員