2023年5月20日(土)14:00~17:00に開催しました。今回は会場(労働プラザ)のみの開催でしたが、40名ほどの多くの方にご参加いただきました。
既に多くの方に認知され、その動向が注目されているチャットGPT等のAI。これに対し私たち中小企業診断士も対応力が求められますが、「持つもの」と「持たざるもの」に二極化していくことが予想されます。今回「チャットGPTの活用ポイント」や「企業内でDX/AIの利用における課題と活用事例」に焦点を当てて、講演と演習を行いました。
講演1)診断士のためのチャットGPT活用のポイント
栗原会員より、チャットGPTのハンズオンや情報共有として「変遷、法的論点、禁止事項、著作権、また他の業界や分野での活用事例」を紹介いただきました。
・ハンズオン
参加者の中には初めてチャットGPTを使う方もおり、ハンズオンを通して理解を促進。
<具体的な使い方として「命令文」「条件」の設定例などを紹介>
例:『〇〇について(←命令文)、子供でもわかるように(←条件)教えて』
・変遷
直近では「GPT-4の公開」や「Google Bardの一般公開」「Microsoft 365 Copilotの発表」
「AWSも生成系AIサービスBedrock開始」など、情勢について紹介。
・法的論点、利用ガイドライン
禁止事項や著作権について、現状を紹介。紹介内容の一例をあげると、「成果物の著作権は誰にあるか?」など、解釈はまだ整備段階。これを受けて日本ディープラーニング協会が公開している利用ガイドラインのひな形を紹介。
・活用事例
Pythonを使った画像生成などの事例を紹介。
講演2)製造業におけるDX/AI の課題と活用事例
小泉会員より、主に製造業におけるDXについて紹介いただきました。
まず混同しがちな「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」の違い
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」との違い
についての「前提知識の紹介」から始まり、以下紹介をいただきました。
製造業においてDXが注目されている理由は
「新しい働き手として活用できる」「生産効率の最適化・向上を実現できる」「新しい価値の開発に繋がる」があげられます。
その上で「インダストリー4.0」「スマート工場」。さらに「サイバーフィジカルシステム」「エンジニアリングチェーン」といったフレーズが出てきますが、この概要について、わかりやすく説明いただきました。
例えば「サプライチェーンとエンジニアチェーンを同時に成り立たせる、また自社だけでなく産業全体に広げる」は「インダストリー4.0」に繋がりますし、「IoTとビッグデータ・AIを使ってサイバーフィジカルシステムを実現させる」などです。これに加え、先進的な取り組みを行っている海外企業の動画紹介を通して、理解を促進しました。
世界の工場でスマート化の取組が進んでいくなかで、これに対して日本の工場がどう戦っていくか?という議論が今後必要になっていきます。
その為の情報として「スマート化へのロードマップ」「IoTに関する動向、技術要素、活用事例、今後IoTを活用する際の課題」を紹介いただきました。
演習: 製造業向けDX/AI演習
「製造業の経営戦略」に関するお題をもとに、8班に分かれグループディスカッションを行いました。
制約事項(設備、人材などの現有資産の範囲でDXを実現)がある中で
工場の各部門に班分けし、またそれぞれの各部門で「チャットGPT有り班」と「チャットGPT無し班」など8つのグループに分かれて、ワークショップを実施しました。演習を通して
・チャットGPT有り班は、検討事項の効率化を図ることができる
・チャットGPT無し班は、制約事項をある程度提案でカバー(臨機応変に)対応ができる
など、それぞれのメリットを感じました。
懇親会
今回のセミナーは会場で行ったため、有志により懇親会が開かれました。
懇親会には多くの皆さんが参加し、情報交換など有意義な時間を過ごしました。
さいごに
今回は簡単な紹介でしたが、当研究会で次回以降、皆様と議論ができればと思っています。
次回の定例会情報はhttps://aibizlabo.com/meetingに記載されています。みなさまのご参加をお待ちしております。
文責:油井会員